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《夜会》 ジャン・ベロー

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まばゆいランプ、重厚感のあるドレープで飾られたヴェルミヨン色のカーテン、その間には奥行の広がりを映す鏡、天井にはきらめくシャンデリア。豪華絢爛な広間でくり広げられる、パリが繁栄した華やかなベル・エポック時代の舞踏会の様子が精密に描かれています。

男性は正装の燕尾服に身を包み、女性はまるで夜会のフロワーに花を咲かせる長い引き裾ドレスの装いで、細やかなレースや刺繍はやわらかな質感まで伝わってくるようです。このような豊かなドレス、コルセットで絞められた細いウェスト、ペチコートで膨らんだヒップは、当時の女性ファッションの流行でした。

今では《夜会》で知られるこの作品は、《ホテル・カイユボット》という古いタイトルから、カイユボット邸で開かれた夜会だったという説もありましたが、オルセー美術館の公式サイトによると、これを示す書類は充分ではないとしています。カイユボットは裕福な画家で、ルノワールやモネなどの支援者として印象派の収集家でもあり、この時代を支えたことには間違えありません。

2016年夏に開催されたルノワール展では、ルノワール作《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》の他、オペラ座やテュイルリー宮での舞踏会をテーマにした同時代の絵画がひとつのコーナーを作り、その中でもひときわ鑑賞者の目を引いたのがこのジャン・ベローの《夜会》でした。