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《黄色いコンソール》 ラウル・デュフィ

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ラウル・デュフィは音楽家の一家に生まれました。父親は会計士として勤めの傍ら、教会の指揮者でオルガン奏者、母親もヴァイオリンを嗜むという音楽好き一家の中で育ち、感性を宿しました。

弟二人もプロの音楽家であり、そのうちのひとり、ガストンはフルート奏者で音楽批評家になったため、デュフィは多くの演奏会に招かれ、音楽家と交流する機会を得て数々の音楽シリーズの傑作を描きました。デュフィの作品にはどれも、優雅な音楽的要素が表れています。第二次世界大戦のさなか、デュフィは単色、あるいは鮮やかな色を限定した作品群を描き始めました。主題の多くは、画家のアトリエや自宅、そして音楽の世界です。

《黄色いコンソール》は、デュフィ晩年の作品ごとにある一色を基調としているスタイルで、この作品はイエローオーカー(赤みがかった黄色)の淡彩で描かれています。画面の三分の二を占めるこのルイ14世様式の重厚なコンソール・テーブルは、ペルピニャン(フランス南部、ラングドック=ルシヨン地方)にあるアラゴ広場に移った先のデュフィのアトリエに実在した家具でした。広場に面した大きな二つの窓の間に置かれていて、壁面には大きな鏡が取り付けてあり、デュフィはその鏡の装飾も譜面の後ろに描いています。ルネサンスの影響が残るバロックの豪華で重厚なテイストが伝わってくる直線と曲線が特徴のルイ14世様式のコンソールは、譜面から踊り出すような音譜、手前のヴァイオリンとともに絶妙なハーモニーを奏でています。